日常には様々な心理学的罠が潜んでいる。大抵の人はそれに騙されて商品を買ったり全く違う印象を受けていたりする。
今回は日常に潜むそんな心理学的な罠を紹介していこうと思う。
目次
携帯代の請求金額※1(ローボールテクニック)
携帯代の請求金額にも心理学的効果が使われています。使われているテクニックはローボールテクニックというもので、これは最初に好条件を出してその後に後出しで悪い条件を出していくというテクニックだ。※2
勘の良い人はもうお気づきだろう。そう※である。※は携帯電話料金でよく使われる手法で、最初の料金は安いのだが、それには様々な条件があり、最終的に非常に割高な料金になってしまう手法である。※3
最近で言えば某a社が最近打ち出した容量無制限プランは月々3760円で容量無制限でデータ通信ができるという割安なプランに見える。
しかし、これは罠で様々な※が付いており、条件を満たさなくなっていくと最終的には9350円まで値段が膨らんでいく。
これがローボールテクニックの神髄で、最初に魅力的な条件を見せて客を引き付け、何も考えずに契約すると最終的に法外な料金を請求される。
ちなみに、この料金プランはついにTwitter等のSNSで炎上した。そら菅総理も携帯料金の値下げを要求するわ......やってることぼったくりバーと同じやもん。※4
※1,2,3,4これは演出です。
TVショッピングあるある。使用者の声(個人の感想です)
TVショッピングを見たことある人なら共感できると思うが、TVショッピングでは使用者の声というシーンがほぼ必ずある。
このシーンでは大抵一般人の愛用者を装った役者が商品の長所を紹介するようなことを言う。たとえば、
「このマットレスを使ってから睡眠の質が上がって朝の寝起きが凄いスッキリしたんですよ!」
みたいな感じ。もちろんこれは本当の声ではなく通販会社が作ったドラマであり、全くのフィクションだ。
このような例は自分の言いたいことを他人に言わせることによって信ぴょう性を強くさせるテクニックだ。非常に汎用性が高く様々なところで使われている。
さっきまでのは易しい例だからリテラシーの高い読者の方ならもちろん気づくだろう。しかし、リテラシーの高い人間でも騙されるように最近の物はドンドン巧妙化して行ってる。
例えば、食べログに金を払ったら評価をあげることが出来る疑惑や、Youtuberのステマなどがそれにあたる。
食べログの口コミが良ければ第三者のお墨付きだと考えて入店の決断をする人もいるだろうし、好きなYoutuberが提供を隠して商品をべた褒めしたらやっぱり買ってしまうだろう。
このように、自分の言いたいことを他人に言わせることによって信ぴょう性を強くさせるテクニックは様々なところで使われていて時に判別不能であるので、常に注意を払って騙されないようにしよう。
インフルエンサーの扇動的な発言(ハロー効果)
現代にはTwitterやSNSなどで絶大な影響力を誇る人がいる(いわゆるフルエンサー)そんなインフルエンサーの発言によって扇動的に行動してしまったことはないだろうか?
もちろん、行動を起こすのは個人の自由だし否定することでは無いけど、その人のいう事は本当に正しくて、その人はその事に詳しいのか?という視点を持ってみると騙されていることに気づくことがある。
⚠️ハロー効果にご注意を⚠️
未来は絶対こうなるみたいなことを断言するインフルエンサーは割と多い。けどその人は本当に未来の専門家ですか?
思考停止で信じていませんか?
1週間後の天気すら外れるのに数年後が簡単にわかったら苦労はしない。
自分の頭で考えよう。#今日の積み上げ
— やまさん@心理学ブロガー (@yamasan_4) February 9, 2021
このツイートを例にとって「未来は仮想通貨ですべての決済をするようになる!」と断言した人がいたとする。その人が大好きな人(いわゆる信者)はそのことを正しいこととして受け入れるだろう。
そしたら信者は仮想通貨の値段が上昇すると踏んで仮想通貨に投資をするだろう。
しかし、一旦原点に戻って考えてほしいのだが、そのツイートの信ぴょう性とはどこにあるのだろうか。ほとんどの場合は信ぴょう性が無い。
なぜそこまで言い切れるかというと、そのインフルエンサーが未来の専門家ではないことが大半だからだ。よく考えてみてほしいのだが、もし確実な未来を当てることが出来るなら投資で莫大な資産を築くことが出来ているだろう。そう、ウォーレン・バフェットのように
ではなぜ人々は信じてしまうかというと、そこにはハロー効果という心理学効果がある。ハロー効果は別名後光効果とも言い、その人の目立つ特徴に全く関係のない評価まで歪んでしまうという効果だ。
これに陥ってしまうと東大生だから仕事ができる(ペーパーテストに強いのと仕事ができる事は別)といった錯覚が起きる。
ツイートの例で言うと「ブログで大成功を収めた人が仮想通貨は全ての決済の主役になるといった!ということはそうなるに違いない!」と感じることだ。
ブログで大成功したことと未来の仮想通貨に関することを予言する技術は全くの別物だ。餅は餅屋、仮想通貨に関することは仮想通貨を専門にしている書籍などを読んだほうが確実に信ぴょう性が高い。(かといって専門家が当たるとも言い切れない。未来は複雑で滅茶苦茶不確実)
まず人は専門外のことに関しては素人だということを忘れてはならない。そして、常にハロー効果で評価が歪んでいないかを確認しよう。
食料自給率38%という大嘘(フレーミング効果)
日本の食料自給率は38%らしい。これは事実ではあるが、全く持って真実ではない。そもそも、日本の食料自給率38%はカロリーベースという世界的に標準ではない計算の上に成り立っている。
それでは世界標準である生産額ベースではどうなるかというと、66%の食料自給率になる。
ここで言いたいことは、どちらの指標が正しいとかどちらの指標が間違っているという事ではなく、計算の枠(フレーム)を変えることによって大幅に印象が変わるという事だ。
日本で世界標準でないカロリーベースの食料自給率が使われるのは多分、低く出たほうが国民にとっては危機感が生まれて真剣に向き合ってくれるだろうと官僚が考えたからだろう。
他にも、タウリン1000mg配合は1gだし、年末ジャンボで7億円が22人合計154億円が当たるというと印象が良いけど交通事故で600回死ぬより確率が低いと言えばまず当たらないと感じるはずだ。
このように、数字を使った指標には様々なトリックが隠されている。食料自給率のような自分の人生に直接的に関係のないものなら良いが、お金を使う場面などは数字に騙されずに慎重に公正に判断することを心がけよう。
血液型占いという情弱専用ツール(バーナム効果)
これは非常に有名な話なのでリテラシーの高い人なら知っているだろうが、血液型占いはバーナム効果の最たる例だ。
バーナム効果は簡単に言うと、大勢の人に当てはまることを言われると自分のことをズバリ当てられた勘違いしてしまう現象だ。
血液型占いに当てはめるとB型はジコチューと言われると自分がジコチューと感じていた人はズバリ当てられたと感じてしまうし、それ以外のすべてが外れていたとしても、当てられたことの印象だけが残る。
これが様々な占いのタネである。もちろん占いとして楽しむ分には全く問題ないので大丈夫だ。
しかし、本気で信じてある血液型だけの人しか採用しないなどといったことだけはやめるように(笑)
まとめ
ここまで様々な日常に隠れている心理学効果の例を紹介してきたが、どうだっただろうか。
多分すべてに騙されていないという人はいなかったはずだ。まあ日常の些細なことっで騙される分にはええけど、大金が絡むときだけは気を付けたほうが良いと思うよ~
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